「キュアからケアへ」と言う言葉を知っておられるでしょうか。
昔は、病気の予防といえば「早期発見・早期治療」(キュア)でしたが、
今は「未病」すなわち病気にならないよう「ケア」すなわち生活習慣をととのへ、
体をいたわり手入れすることで病気を未然に防ごうと言う考え方に変わって来ました。
歯の病気も同様で、病気を未然に防ぎ「虫歯」や「歯周病」にならないようにしよう
という考え方になってきています。特に「虫歯」や「歯周病」は、その原因や治療法が、
かなり解明され、その予防法もかなり確立されてきています。そのため正しい予防法を知れば、
かなりうまく予防できることがわかって来ています。
さて、歯の病気を予防するにはどうすればよいでしょうか。
歯科の2大疾患と言われる虫歯や歯周病は、一つまたは多種の病原菌により引き起こされる
感染症であることが、わかっています。歯の表面には、歯垢(プラーク)という病原菌が
集まって造り出すネバネバの膜が出来ます。この歯垢が、病気の原因になっているのです。
歯垢を取り除くことによりこれらの病気は、予防できます。歯垢は、バイオフィルムと呼ばれる
ネバネバの膜ですので、機械的にしっかりこすらないと除去できません。うがいだけでは
歯垢は除去できないのです。ハブラシでしっかり歯をこすることによりまさにばい菌の
固まりであるこの歯垢を除去できます。正しい歯磨きを毎日行うことで歯の病気は、予防できます。
(正しい歯磨きについては以下を参照して下さい。)
http://www.iiha-jda.com/mouse/05/index.html 日本歯科医師会のhp
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また、歯の病気は、生活習慣病という側面を持っています。特に歯周病は糖尿病、高血圧症、
心臓病といった生活習慣病の一つ分類されています。
生活習慣を改善し整えることが予防のため大切です。
歯の病気が、ばい菌が原因で起こりその成り立ちに生活習慣が深くかかわっていることを理解し、
それに対してお口をケアすることで、歯の病気は、予防できるのです。「お口のケア」と
ひとことで言いましても、いろいろな「ケア」が、含まれています。
昨今では、「お口のケア」をホームケアとプロフェッショナルケアに別け、
その2つを車の両輪と捉えをしっかり行うことで歯を守ろうという考えが、主流です。
ホームケア・・・家庭で本人が毎日行う歯やお口の手入れ
プロフェッショナルケア・・・歯科医院で歯科医や歯科衛生士から受ける歯やお口の手入れ
どちらもプラークコントロール(歯垢を除去すること)がキーワードとなります。
プラークコントロールで大事なことはご自分の歯磨きです。
これが予防の基本になります。虫歯と歯周病の原因菌は種類が異なり、
生息する場所も違いますので、歯磨を注意する場所も両者の間に差があります。
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歯周病の菌は歯と歯茎の間にいますので、この部位を磨きます。
虫歯は歯と歯の間や、奥歯の溝にできやすいのでここの部位を
注意して磨きます。歯周病と虫歯の両方の危険がある人は、
歯の根も気をつけなくてはいけません。
歯ブラシや補助器具(歯間ブラシ)でこのような部位のプラークを
できるだけ取り除きます。 |
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歯並びや歯茎の退縮の程度によって
使用方法が変わってきますので、かりつけの歯科医院で
歯科医師や衛生士のアドバイスを受けてください。
歯周病については、歯磨きが、最も有効ですが、
虫歯に関しては歯磨きだけでは予防できません。
糖分の取り方、フッ素の使用も影響してきます。
虫歯の菌は糖分を栄養にしていますので間食の多い人は、
回数を減らしたほうがいいです。
フッ素は虫歯になりかかった時に取り込まれると、
歯を硬くして虫歯になりにくくします。
フッ素入りの歯磨き剤を使用するのも有効です。 |
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以上述べたようなホームケアが重要です。この毎日のホームケアを、
より効果的に行うために必要なのが、プロフェッショナルケアです。だ液の性質、生え方、
歯の形、歯並びなどから、もっとも効果的なブラッシング方法などホームケアのコツを
我々の所へ来ていただければアドバイスさせていただきます。個人に合った
ブラッシング方法によって、効率的な磨き方を知ることができます。
実際にブラッシング指導を何度か受け、さらにセルフケアができているか、
虫歯や歯周病になっていないかのプロによるチェックを3ヶ月から6ヶ月に一度
かかりつけ歯科医に定期的に通い行うこと(定期検診)で予防することが出来ます。
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「プラークコントロール」ってなに? |
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最近よく聞く「プラークコントロール」という言葉。
このプラークコントロールとはいったいどういうことなのでしょうか?
プラークコントロールとは
プラークとは口の中にある歯垢のことをいいます。歯垢はむし歯や歯周病を引き起こす、
ばい菌の固まりです。放っておくと歯石となり、ますます歯垢がたまりやすくなります。
このプラークをためないようにブラッシングすることや、たまっているプラークを
取り除くことをプラークコントロールといいます。
1. 特殊な器械を使って、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目を清掃します。
2. 歯と歯ぐきの境目や、ポケット(歯と歯ぐきの隙間)に付着した歯石を取ります
(スケーリング)。
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かかりつけ歯科医 |
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小さなお子様がいる方は、かかりつけの小児科医などがあると思います。それと同じように
かかりつけの歯科医を持つことは、歯の健康を守るために大切なことです。
単に長い間通い続けているからといってもこれはかかりつけ歯科医とはいいません。
かかりつけ歯科医とは、患者さんの歯の健康を管理、指導することが出来る歯科医のことです。
治療以外のことでも以下のことを行います
1. 患者さんの定期検診・保健指導・予防処置などの継続管理。
2. 介護が必要な高齢者・障害者への支援。
3. 行政機関(保健センターなど)などが実施する歯科関連事業への協力。
4. 医療機関(歯科以外も含む)との円滑かつ効率的な連携。
5. 歯科保健医療情報の管理や、健康教育、健康相談。
本人だけではなくご家族皆さんの歯のことを我々阿倍野区のかかりつけ歯科医にご相談下さい。
そうすればご家族単位での歯の健康と、傾向がわかり治療に役立ちます。
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定期検診の重要性 |
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口の中は、自分ではなかなか見づらい所です。鏡で見ても見えている所はごくわずかで、
ほとんどが見えません。また見えたとしても初期のむし歯などを見つけだすのは難しいでしょう。
こうしたことから自己チェックには限界がありますので歯科医院で定期的に検診をうけましょう。
1. むし歯や歯周病がないかを検査・治療
2. 歯に付いた歯石の除去
3. 歯みがきで不十分なところを指摘し、ブラッシング指導を行う
4. フッ素塗布によるむし歯予防
5. 歯に関する相談など
定期検診を受けることにより、歯の病気の早期発見早期治療に役立ち、
患者さんの肉体的、時間的、金銭的な負担を軽くします。
患者さんの希望によっては、定期的なメインテナンスを受けることができ、
歯の病気を未然に防ぐことができます。
定期検診を受けるタイミングは、大人で年1〜2回位、子供で年2〜3回位が理想的です。
定期検診についても我々かかりつけ歯科医にご相談下さい。
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